今年の梅雨も長く、辛い時期が続きました。6月から2ヶ月間、天文部で計画していた観望会は、曇天に阻まれてなんども中止になりました。東北地方の場合「明けない夜ないよ」というきれいごとが通じないところがあって、梅雨からそのまま秋雨なんて、よくあります。2年前だったかな、8月に入ってもヤマセがやまなかったのは・・・。
しかしそれは唐突にやってきたのです。梅雨明け。
それで、8月1日には蔵王山で撮影を、翌日には名取駅前で第一回の電子観望会を開くことができました。やっとこ。まずは撮影の結果から報告します。
ツインシステムで網状星雲
木曜の夜。翌日の仕事もお構いなく、蔵王山へ出かけてきました。
行きがけにフウロウを見つけました。
いつもの賽の河原駐車場に到着したのが8時すぎくらいだったか。上空には少し巻雲が分布していて、白鳥座がすでに東の高い空に昇っていました。雲はじきに切れて、南中1時間まえくらいから、網状星雲を撮影しました。
使用したのは、今春から導入したMamiya Apo-Sekor 250mmのツインシステム*1。日付が変わって2時近くまで、28枚x2の56枚のライトフレームを確保。この露光時間は自己新記録でした。
Date: 1st Aug 2019
Location: Mt. Zao, Miyagi
Camera: Canon EOS 60Da, EOS Kiss X5 twin system
Optics: Mamiya Apo-sekor 250mm F4.5
Exposure: 420sec. x 28(ISO1600, 60Da) and 420sec. x 28(ISO1600, KissX5)
Guide: Kenko SEII, PHD2 guiding
Processing: RStacker(dark and flat subtraction), Photoshop(RAW develop.), DSS(Stacking), Starnet++ and photoshop(post processing)
うーん。デジカメだけでここまで撮れれば満足していいような。
このツインシステムは、同じレンズに異なるカメラ(60Daと改造KissX5)と取り付けています。前回5月の撮影では、両カメラとも似通った画像でしたが、今回はKissX5のノイズがひどく、60Daの優秀さが目立ちました。夏の気温の影響でしょうか。現地の気温は約20度でした
なので、今回の撮影では、最近ほとんどやらなくなったダーク減算を実行しています。学校にあった壊れかけの冷蔵庫内の温度がちょうど20度だったので、カメラを入れてダークを確保。夏場の撮影ではダーク減算はある程度必要であると、思っています。
あと、この対象だとStarnet++が良い仕事をしてくれました。星消し画像は星マスクと星雲マスクに使っています。また、処理前の画像に25%ほど星消し画像をブレンドして、相対的に星を暗くしています。
比較のため、1年前に、やくらい高原で撮影していた網状星雲も再掲しておきます。これより良い結果になりました。
*1:ファーストライトはこちら