天文はかせ幕下

蔵王雲抜けの巻(8ヶ月ぶり2回目)

f:id:snct-astro:20200528171024p:plainくもじいじゃ*1

今日はワシが,東北地方における雲抜けについてお話しするぞ。言うまでもないかも知れんが,雲抜けとは山頂が雲の上に出ることじゃな。

時期はずばり梅雨じゃ!

東北の梅雨は,やませと呼ばれる特有の季節風が吹く。そんなときは,下の写真scw予報みたく太平洋側に雨が降って,日本海側が晴れることがよくあるじゃろう?この太平洋側の雲は所謂「低層雲」なのじゃ。下界では,霧や靄が出ていることが多いぞ。

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この条件なら雲抜けの可能性ありじゃ。Meteoblueにアクセスして,雲の高さを要チェックじゃ。ここにアクセスするとお主らの地方の天気予報が表示される様になっておる。

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こんな画面じゃ。左側のメニューから"weather map"を選んでクリックすると,地図がでてくるから,そこでお主らの興味のある地域に青いカーソルを合わせれば,一週間の天気や気温に加えて,高度ごとの雲の分布や風向きが表示されるぞ。

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だいたい,雲の高さが1500mくらいなら,蔵王でも雲抜けのチャンスじゃ!あとはお主らの運次第かの。それじゃあの。

蔵王の雲抜け。仙台上空に大気光が!

それは2423日土曜日でした。

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当日夜の気圧配置。

名取市は気温が低く,べったり曇った陰鬱な天気。scwは山形地方の晴れを予想しており,meteoblueの示す雲頂高度は1000mちょっと。とりあえず,蔵王の賽の河原まで行ってみて,曇っていたら山形まで足を伸ばそうという計画でした。

麓の温泉街は濃い霧の中で、これは期待できそう。結果はカンペキで、エコーラインを登っている途中から雲のうえにでました。山頂付近ではべったりと分厚い雲が,完全に宮城県側の下界を覆っていました。これを予想していたのは私たちだけではなかったようで,主に東北大の天文同好会の学生さんたちがたくさんきていました。

こちらは、賽の河原駐車場から東方向を撮影した画像です。

The milkyway in night grow

天の川の中心部ははこんなかんじ。低空までくっきりです。

The Milky Way

画像処理していて、どうも緑が被るなと悩んでいて、よく考えてみればこれは大気光でした。蔵王で、しかも仙台の方向で大気光が見えるのはかなり珍しいかも知れません。危うく画像処理で消去してしまうところでしたよ。

 

そんなわけで、1年に数回あるかという最高の星空を満喫できました。天の川以外には、サドル付近とバンビの横顔付近を 撮影したので、次回報告いたします