天文はかせ幕下

蔵王で洞窟星雲

晴れない...晴れない....

と不満を申していても,月に一度くらいは遠征に出かけられる天気が来るものです.月末にチャンスがあって,遠征撮影に行ってきました.場所は蔵王,標高1400mの駒草平です.

ただ,日曜の夜です.

うーん,ですよね.けれど,撮影中の雑談でそーなのかーさんは言ってました

「Lに偏りすぎて,なにか不味いことがあるのですか?」

って.さすが.(Lの意味を勘違いしていたのかもしれません)

 

撮影地の様子です.jdさんと名取天文台のはたけ君,あと仙台天文同好会のIさんがいらしていました.なかなか賑やかな夜.

 

私は,久しぶりにRASA11"を持ち出して,洞窟星雲を撮影してました

そーなのかーさんは,チリ送りのR200SSの最終チェック.M33を撮影してみて,星像も良好でした.斜鏡に取り付けられている謎の金属製クリップのせいで,明るい星のハロが不均一になるのが唯一気になる.あれどうしますかねえ.

 

今回の結果です.

The cave nebula(Sh2-155)

Title: Sh2-155 The cave nebula
Date: 2022-08-28 21:20~26:07
Location: Komakusa daira, Mt. Zao, Miyagi.
Optics: Celestron RASA11" ASI2600mc-pro
Exposure: 120s x 81f, gain120
Mount: iOptron CEM70G
Processing: Pixinsight, Photoshop

ケフェウス座は本当に楽しい領域です.何にもなさそうな空間にもいろいろな構造と色があるのですよね.今回,なかなかよく撮れたと思ってますし,構図も気に入ってます.

付記:蔵王の撮影ポイントと天気について

ひとことに「蔵王」と言っても,機材を展開できる5つの駐車場があります.それぞれの標高と特徴を並べてみました.我々がよく使うのは「賽の河原」か「刈田リフト」です.

  1. 賽の河原駐車場(1200m)標高低い,南方向が道路,比較的風穏やか
  2. 駒草平駐車場(1380m)比較的風強い,斜面キツイ
  3. 大黒天駐車場(1460m)斜面キツイ,トイレ無し
  4. 山頂駐車場(1720m)車の出入り多い,風強い
  5. 刈田リフト駐車場(1600m)山形県側,霧が出やすい

そしてここで話題にしたいのは刈田リフト駐車場の霧です.今回はこれにやられました.というのも当日の刈田リフト駐車場は22時くらいまで濃霧に包まれていて,同時刻の駒草平は終始晴れていたのです.この2か所は2kmくらいしか離れてません.車で7分です.

当日の天気図です.昼頃に寒冷前線が列島を通過,雨を降らせた後に高気圧が張り出して急激に天気が回復するよくあるパターン.8月にもかかわらず,山頂付近の気温は5℃くらいまで下がり,少し強い西風が吹いていました.雨上がりの湿った空気が西側の山肌を登るうちに,雲になるパターンだったのかも.

こういう時は山形側の斜面は避けた方がよい,という教訓でした.

 

実は薄明前後,私とそーなのかーさん,はたけ君は,霧に包まれた刈田リフト駐車場に機材を広げていたのです

駒草平が晴れているというjdさんからの情報を得つつも,機材を撤収して再展開するのがメンドクサ過ぎて,移動の決断ができず1時間ほど無駄にしました.

撤収はやってみると10分ほどしかかからず,決断は早ければ早いほど良いというのが,二つ目の教訓でした.