先月の「11月快晴」の夜は、大気光が強かったようです。
当夜。そーなのかーさんの機材を前景に撮影したオリオン座の写真。低空で赤くうねうねと光っているのがそれです。冬の天の川と同じくらいの輝度で発光しています。
顧問は今年で天体写真撮影歴7年目です。これまで大気光が気になったことはなくて、初めてその存在を認識したのが今年の5月28日、雲抜けの蔵王にてでした。
この時は緑色。
「やっぱり、雲抜けの暗い空だからこそ見えたのだよね。すごーいね。」
なんて思っておりました。
7月,低空のネオワイズ彗星を撮影したこの画像にも大気光が顕著です:
「うん、まあこれも一つの風景ですよねー。消すのはちょっと違うかな」
なんて考えておりました。また、つい先日(11月下旬)撮影したエラスムス彗星にも映り込んでいます
この辺りになって、もうイヤになっております。緑や赤の発光が邪魔で仕方なく、すっかり嫌いになってしまいました。
比較として,こちらは今年の5月16日,福島県フラワーランドにて南の低空を撮影したものです。大気光は見当たりません。
もうちょっと遡って今年の2月。大気光はかけらも見えません。
どうも今年の5月頃から例年に増して大気光が目立っているのではないでしょうか。太陽活動やなんやに関係して強まる「時期」があるのでしょうか?
ペルセウス座付近
そんな夜、EOS6Dでペルセウス座付近を撮影しておりました。
14日の5時間半露光のgif。東->天頂->西とカメラが動いているわけだけれど,前半と終盤に写っているモヤモヤは薄雲でなくて,大気光だと思う。分子雲出すにはけっこう影響ありそう pic.twitter.com/EYj0p4YUGj
— nagahiro (@pochomskii) 2020年11月19日
晩秋の夜。たっぷり5時間半も露光していました。結局は大気光の影響のあるコマも含めてすべてスタックしました。低空の前後20コマを捨てた画像との比較では、そんなに大きな差を感じませんでした。
Date: 2020-11-14,15
Location: Kamiwari-saki, Miyagi Jpn.
Optics: Zeiss Apo sonner 135mm F2(F2.8)
Camera: Canon EOS 6D (mod)
Exposure: 180s x 110flames(ISO1600)
Processing: Pixinsight, Photoshop.
まあこんなものかなーと。実はこの画像は2回目の再処理の結果です。分子雲は抑え気味に、あくまで背景にうっすら漂っている感じにして、星の色を綺麗に出すことを念頭に処理しました。
これの一個前のバージョンでは、こんなふうな処理をしていました
こちらはブイブイあぶり出しverです。正直に言って、少々汚いよなー 。最近の好みでは、分子雲は炙り出せば良いわけでなくて、背景にうっすらと漂いつつも確かな存在感をもつような、そんな表現を目指したいと思っています。
12月はオリオン座付近を撮影予定。あの周辺の濃い分子雲をどのように表現すべきか、考えないといけないなー、という次第です。