天文はかせ幕下

M63とそのハロ

トータル800分のデータを一つにまとめて処理しました。2022年版ひまわり銀河最終バージョンは、そーなのかー氏との合作です。その内訳は以下の通り

  • MT200(1200mmF6)で4時間露光(4月4日)
  • 4RASA11''(620mmF2.2)で4時間露光(4月12日)
  • R200SS+externderPH(1120mmF5.6)で5時間露光(4月12日)そーなのかー氏から提供

https://www.flickr.com/photos/160877569@N03/52007348411(←高解像度画像)

Date: (a)2022-3-29, (b)2022-4-2
Optics: (a) Takahashi MT-200, (b1) Celestron RASA11", (b2) Vixen R200ss with extenderPH
Camera: (a) ZWO ASI294mc Pro, (b1)ZWO ASI294mc Pro, (b2) ZWO ASI294MM Pro
Exposure: (a) 180s x 79 gain120, (b1)180s x 86 gain288, (b2) 60s x 183 for L and 120s x 63 for Hα, total 804min 

 

こんなにひたすら露光を重ねたのは、銀河の周辺に分布している極めてかすかな構造を写し出したかったから。上の写真でお判りいただけるでしょうか・・・? わからない?でしたらスマホやパソコンのディスプレイの輝度を最大にして、部屋を暗くしてみてください。下の図のような形のうすーい雲が見えると思います

これは実際にM63銀河本体の周辺に分布している星からなっているそうで、(分子雲? - もりのせいかつ 別館)。ただし後者のIFNはアマチュア用語とのことで、分子雲との区別もあいまいでわかりにくい。かといって「銀河巻雲」もあまり耳慣れなくてちょっと抵抗があります。

(22日追記:こもんが誤解していたので上記は一旦削除します.まだ用語について整理がつかないので後日まとめます)
これは実際にM63銀河本体の周辺に分布している星からなっていて、恒星ストリームちか潮汐ストリームと呼ばれています。M81などの方向に見えているIFNと混同しやすいですがそれらとは違う存在とのことです(分子雲? - もりのせいかつ 別館)。(24日加筆)

 

先日のエントリではIFNと書いちゃってましたが、今後は比較的使われている「ハロ」を採用したいと思います

M63のハロは、いままで撮影した中でも随一の淡さでした。スタック直後のリニア画像で測定してみたところ、銀河中心近くの輝度に対して、ハロ自体の輝度は0.33%くらいしかありません。ちなみに何もない背景の輝度が、銀河中心ちかくに対して0.28%ほどでした。そんなわずかな輝度差をあぶりだしています。

 

ちなみに以前、M64黒目銀河付近のこんな写真

https://www.flickr.com/photos/160877569@N03/51118359967

を撮影しました。下のほうに見えている帯状の淡い構造は、その分布からして銀河本体とは関係なさそうです。おそらく我々の天の川銀河内に存在しているガスが同じ方向に見えているもので、こっちは分子雲(=IFN?)と呼ぶべきなんでしょうね。