天文はかせ幕下

仙台高専天文部の顧問が、日々の天文活動や天文情報を綴っています。

2025-04-01から1ヶ月間の記事一覧

チリのVixenR200ssで60時間露光したNGC3521銀河

2月の中頃から3月の初めにかけて、チリのリモート望遠鏡でNGC3521銀河を撮影しました。露光時間はHαとLRGBがそれぞれ30hづつ合計60時間、これまでで最も長い露光になりました。まずは結果をご覧ください date:2025-02-23,27,28,03-03,07(5 nights) locatio…

「小口径が大口径より分解するケース」を(再)検証しました

これまでの経緯 前回の反省点と今回の方法 検証方法 結果と考察 動画の比較 スタック後の静止画の比較 終わりに これまでの経緯 (悪シーイング&短時間露光)の状況では、8cm程度の小口径の光学系のほうが、大口径よりも分解する――。この意外な逆転現象…

気軽な天体写真

50分程度と言うと、昨今では短時間露光の部類と言って良いかもしれません。3月に宇多川湖で撮影したオリオン座の右腕から双子座の左足あたりにかけての星野写真は、天候の関係で露光が稼げず、それなりな仕上がりでした。 Date: 2025-03-25Location: Utagaw…

「小口径が大口径より分解するケース」の検証をしました

はじめに 以前このブログで、「シーイングを考慮した望遠鏡の口径と分解能の関係(理論・考察編)」という記事を書きました。その中で、以下の2点について触れました 非常に短秒の露光(0.01秒程度)では、小口径望遠鏡のほうが、大口径を上回る分解能を示す…