天文はかせ幕下

星沼会 2023年冬合宿 

 

1月28日に,星沼会の合宿を行いました.氷点下10℃の夜,気の置けない仲間たちとBBQや撮影を楽しみました.

メンバーのAramisさん,M&Mさんもブログで始終を報告してくれてますのでご覧ください.

あえて上弦の頃に天体合宿をした意図.実際は…

天体写真遠征を伴う合宿ですと,最低2泊は必要です.1泊では普通の遠征と同じで意味がありません.しかし,忙しく働いている大人たちが3日間の日程を合わせるのはなかなか難しい.

「一泊の短い日程でメンバーが楽しく交流を深め,さらに撮影もできちゃうお得な方法はないものか?」

顧問は頭を悩ませ,そしてMoonを利用してメンバーに撮影をさせない作戦を思いつきました.開催日を上弦の月の頃にぶつけたのです.星沼会メンバーに提案したタイムテーブルは以下のようになります

  • 28日 正午〜日没 集合・機材設営
  • 28日 日没〜月没 バーベキュー・談笑 ← ポイント
  • 29日 月没〜薄明 各自撮影
  • 29日 薄明〜日出 仮眠・朝食
  • 29日 日出〜正午 撤収・温泉

ちょうど24時間.特に「日没〜月没」の行動設定がポイントです

しかし顧問の狙い通りにはいきませんでしたね.同好の士とはいえ,思いは様々なんです.あるメンバーはの行動はこうでした

  • 28日 日没〜月没 バーベキュー・談笑・ナロー撮影

特に「露出狂」を自称するそーなのかー氏は,空が晴れてさえいるのにNINAのシーケンスが動いていないと,体がブルブル震えるのだそうです.恐ろしいことです.

または,

  • 28日 日没〜月没 バーベキュー・談笑・星景写真撮影

だったのがAramisさん.「月が明るくて星景が捗る」んだそうです.上に引用したブログに掲載されていた樹木と雪面とオリオン座の写真は見事でしたね.自分も撮影すればよかったー.

成果写真

合宿の計画で「ちょっと失敗したなー」と思っていたのは,この時期は日付が変わる頃になると春の星座で撮るものが少ないんですよね.ただ,運良くZTF彗星が接近していました.みんなで撮影しました.

ZTF (C/2022 E3) 2023-1-29

ZTF (C/2022 E3) 2023-1-29

date:2023-1-29 (3:31-5:22 JST)

Location: Koyama dam, Ibaragi, Japan

Optics: RASA11‘‘

Camera: ASI2600mc

Exposure: 90sec x 71f, gain100

彗星の合作は難しく,研究の余地があります.今回は単独撮影になりました.上の写真はTwitterにあげましたらテレビの制作会社の方から連絡いただいて,放送に使われたようです.自分は寝ていて見逃してしまいましたが,M&Mさんがキャプチャを送ってくれました

クレジットの顧問の本名の後に(星沼会)と入っているのがポイントです.

最後に,星沼会について思うこと

今回の合宿から,丹羽さんのお友達のhinokirさんを「新入水者」として迎えました.本人から伺った話ですと

「天文同好会ウォッチャーを自認する私からみても,星沼会はいま最も勢いのある同好会」

とのこと.また,

例えばこんなツイートに,予想より多くのイイネをもらえるの嬉しくなります.

星沼会,私からみても居心地の良い会です.同じく最近お迎えしたM&Mさんもそれについてコメントされていて,そのまま引用します

そもそも、私は好きな趣味で、縛られる・群れる同好会が嫌で、社会人になってからは属してきませんでした。今回はネット時代を反映して?か、 ”半〇レ集団” のような自由な緩いつながりで、規約・例会・定例観測会など縛りがないし、主がおらず自由な雰囲気。遠征地で出会ってきたメンバーの皆さんもなんだか個性的で面白い方々なので
星沼会に加わらせていただきました。
(ブログ「M&M Village」 2023年2月 2日 (木)のエントリより引用

半●レ集団という例えが笑います.繋がりの緩さが魅力なのは確かですね.昔は会報出したり定例会を開かないと活動の実態が見えなくなってしまったのでしょうけど,最近はSNSがあるのが異なる点です.星沼会で言いますとTwitterのDMグループが重要.ほぼ毎日しつこいくらいの議論と情報交換をしています.それがメインの「活動の場」なんです.

 

メンバーの小林さんは,星ナビ3月号の記事内で星沼会を「分散型自立組織(DAO)」に例えられてました

星沼会は特定リーダーが居るようなトップダウンではないし、と言ってなんとなくダラダラと続けているような感じでもない。その時に動ける人がどんどん動く。そのような組織はIT分野でDAO(分散型自立組織)と呼ばれ、最近注目を浴びている。普段は自分のやりたい活動をし、昼夜となくSNSで意見交換し、あるタイミングで合作をする。
月刊星ナビ 2023年3月号「みんなで合作!天体写真」より引用
会として特に活動がないのなら緩くて当然なんですけど,実は星沼会は忙しいです.星ナビ特集の執筆や,天リフからの要請を受けてのライブ配信,また今年はCANPというイベントの開催も控えています.そう言う中でも指示はトップダウンではなく,動ける人がどんどん動いて仕事をこなしてきました.
 
わたしが強調したいのはキーパーソンの存在;メンバーの中で最も若い,そーなのかー,ぐらすのすちの2名です.そ氏とぐ氏は撮影だけでなく工学・光学系にとても明るく,我々は多く助けられています(ちなみに顧問は工学系の学校の教員ですが,工学はよく理解していません,悲しいことです).知識やアドバイスが,若者から年配者に向けて発せられているのも,通常とは逆のことで,それが居心地の良さにつながっているように感じます.
 
最後に「リーダーはいない」のは確かですけど,暗黙にはボンヤリと存在している気がするんですよね.誰なのかは書きませんけど,皆さんなんとなく分かるのではないかと思います.