天文はかせ幕下

御礼:CANP2023無事閉幕しました

CANP2023は6月10日11日に実施され、大きなトラブルなく無事に閉幕しました。関係のみなさまに厚く御礼申し上げます。

 

閉会後もしばらくは、SNSでもCANPの話題が多く書き込まれていて、感想を読んでニヤニヤしたり、レスポンスしたりと、これを書いている今でも顧問は若干の興奮状態が続いています。

講演を引き受けてくださった先生方、参加者のみなさんも、ブログ・youtube更新されてます。見つけ次第に順次紹介いたします:

さて、ここでは準備の舞台裏やCANPの実施形態などについて、差し障りのない範囲でつらつらと書いていこうと思います。もしご興味あればお付き合いください。

CANPとは?

これは復習です。

フィルム写真からデジタルカメラへの移行期だった1990年代、そのころからデジタル天体写真の情報交換が行われていたCAN(CCD Astronomy Network)という組織があります。今では会員は全国に散らばっていて、1000人規模のちょっとした学会の体を成しているそうです。CANP(CCD Astronomy Network party)は、CANの年会です。CANの内部で毎年実行委員会が組織されて、1年おきに東日本と西日本で交互に実施されています。

顧問にとっての当初は、CANPはデジタル天体写真の猛者中の猛者が集まるイベントで参加するのも恐ろしいというイメージがありました。

準備編

いきさつ

2022年の実行委員長だった岡山アストロクラブのてつにぃ @arne_jacobsen さんから、打診があったのが昨年の5月ころでした。顧問のような辺境の天文民に、いきなり声がかかった理由はよくわかりません。おそらく、実行委員は大変な仕事なので成り手がそう簡単には見つからないこと、星沼会の活動が結構目立っていたこと、この2つがあったのではないかなと思います。

星沼会のみなさんが全面的に協力してくれることになり、それならと引き受けました。形式としてまずは私がCANに入会し、あくまでCANのメンバーとして実行委員長を拝命した形です。

マニュアルないのをいいことに、星沼会暴走

実行委員長といっても、打診のあった時点で顧問はCANのメンバーでもないし、CANPにも参加したことがありませんでした。実施に至っては「こうすべし」というマニュアルのようなものがあるのかなと思っていたら、それもない様子です。CANの世話人の方は

「例年は、こんな感じでやってますので、それに準じる形で実施していただければ」

と話していました。それならば「前例踏襲!」を合言葉に無難に実施すれば良かったのです。しかし例年を知らないので、我々じゃっかん暴走してしまいます

聞けばCANPは毎年100名ほどの参加が上限で、募集をすると数日で枠が埋まってしまうとのこと。Twitterでも、「CANPは例年知らない間に募集が始まっていて、気がつくと締め切られている。」という感想が多かったのです。

そんなの悲しいじゃん、なるべく多くの天文ファンが参加できるようにしたいじゃん!

つってオンライン配信することにしました。これについては世話人の方からいろいろ心配の声もあったのですが、話し合った結果、ではやりましょう流れになったのでした。

テーマ選び

CANPでは毎年スローガンを掲げるのが定例になっています。今回は

「天体写真、かわるモノ、かわらないコト」

とし、これは顧問が発案しました。1番の狙いは、そのぼんやり感です。講演を引き受けてくれた方が話しやすいように、という配慮でした。その上で、画像処理、リモート撮影、惑星(太陽)撮影、星景写真、天体動画、市民科学と多岐にわたるテーマを用意しました。また一番お若い @astrodabo さんをはじめ、例年よりも幅広い年齢層の方々にお話しいただけたと思っています。そこが例年のCANPと比べると新鮮な点でもあり、また純粋に画像処理の話を期待されていた方からは物足りなさもあったかもしれません。

講演の皆さんが、テーマの意図を私の予想以上に汲んでくださり、それぞれの解釈で話していただいたこともとても効果的でした。その結果、著名な方からこんな感想もいただいて、ホルホルしました

Peatixが便利でした

星沼会のメンバーは全員現役世代ですので、イベントに伴うお金のやり取りや、問い合わせの対応など仕事の合間に行うのは無理だろうと丹羽さんが予想していました。そこでPeatixというイベントサポートのサービスを使用することにしました。

https://peatix.com/

エントリーや参加費の入金、懇親会のチケット購入、参加者への一括連絡と問い合わせの受付、キャンセルの返金処理など全てこのサイトを通じて行えます。もちろん手数料はかかりますが、このサイトがなかったら仕事が複雑になりすぎて星沼会内で喧嘩が勃発し、CANPも途中で空中分解していたかもしれません。Peatixの管理は @masahiko_niwa さんと @hinokir さんがやってくれました。ありがとうございました。

実施編

始まってしまいさえすれば、現地の運営は単純な肉体労働です。

オンライン配信

問題はオンライン配信で、これはどう頑張っても何かしらのトラブルはあるだろうと踏んでいました。しかし、 ぐらすのすち @GLASnSCI くんが中心となって入念な準備をしてくれ、それにそーなのかー @so-nano-car さんのサポートが加わったおかげで、全体に若干の小トラブルのみでつつがなく進んだのは驚きでした。今回現地参加のなかったAramis  @magicalflute77 さんは、実はリモート配信の監視役として、二日間つきっきりで我々と綿密に連絡を取ってくれていました。

冷静な司会進行

一部SNSで、

「たまにチラッと映り込む、マッチョなオジサマはだれ?」

と書き込みがありました。それは最近筋トレに凝っている顧問のことではもちろんなく、macho333 @macho333macho さんです。macho333さんにはなんとなーく司会をお願いしたのですが、その冷静な進行ぶりは個人的に最高で、小トラブルの間も落ち着いて対策に当たることができました。

講演のトップバッター

講演はどれもハズレ無しでレベルが高く、運営の合間に聴講していてもとても楽しいものでした。トップバッターをお願いした星沼会の丹羽雅彦 @masahiko_niwa さんはさすがにプレゼンテーションが上手で、随所にちょっとした笑いを差し込みつつ、会場の空気を温めてくれました。たぶんオンライン参加者の空気も温まったと思います。おかげで続く講演にも熱が入ったようでした。

裏方の尽力

また裏方のお金の管理、多岐にわたる処連絡、当日のタクシー手配、懇親会場の予約と人数変更の連絡など、こまごまとした大変な仕事は、主に hinokir @hinokir さんと Yasushi Fukunaga @yanamodake さんにやっていただきました。ほんとう、大変だったと思います。また当日に様々な雑務を引き受けてくださった、柊二☆ @shuji_acure さん、星屋 @ACIIEY6UQq4ZGH3 さんもありがとうございました。

 

こちらは会場の様子です。現地参加は61名、オンライン参加は90名と、多くの方にご参加いただきました。

下の地図は、オンライン参加者と現地参加者の出身県の分布です。とある目的のためにhinokir @hinokir さんが作ってくれました。オンラインを実施することで西日本から多くの方に参加していただくことができたのが明白にわかります。そしてチリとクロアチアからも!

懇親会

CANPの懇親会は実に4年ぶりでしょうか。これを楽しみに来てくださったかたも多いようで、企画してよかったです。場所は名取市サッポロビール工場に併設されたビール園。これもずいぶん盛り上がって、やっぱりみなさんお酒を飲んで騒ぐのがプリミティブに大好きなんですねえ。

その夜には天リフ主催のオンライン懇親会もあって、顧問は中々リアルでお会いできない編集長とゆっくり話をすることができました。山口さん、企画ありがとうございました。

おわりに

というわけで、このへんで終わりにしたいと思います。

実は、このブログではつまびらかにできない影の苦労がたくさんたくさんありました。星沼会全メンバーのフォローが効いて、薄氷を渡るごとき危うさで何とか無事に実施できた。というのが正直な感想です。46歳にしてとても勉強になりました。

これだけ日本中の天文ファンから注目されるイベントの主催ができたのはとても刺激的なことでした。「やってよかった!」が第一の感想です。同時に「次回の星沼会による実行委員会は、ハレー彗星が来る頃かな」とも思います。

 

次回の実行委員長は、西明石天文同好会の 宙ねこ @sora5tm さんです。できる限りサポートしますので、頑張ってください!