天文はかせ幕下

SharpStar15028HNT + フルサイズカメラで撮影テスト

今冬に新たに導入した、SharpStarの15028HNT。APS-CセンサーのASI2600MC-Proを使って暗い空のしたで撮影した結果を

に書いたところ、「フルサイズの結果を見たかった」とのコメントをいただきました。

ではEOS6Dとの組み合わせでバラ星雲あたりでも撮影してこましたろ、と計画を練っていました。しかし普段は暇な顧問も、年末年始となると遠征するまとまった時間が取れません。仕方なく、自宅庭での撮影テストを行いました。

コチラが結果(手抜き処理でスミマセン)

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date: 2021-12-30
optics: Sharpstar 15028HNT
camera: Canon EOS6D
Exposure: 480s x 15f (ISO100)
Mount: Kenko SE2 with PHD2 guiding
Temprature: ~5deg.(sensor)
Processing: Pixinsight and Photoshop

そして中心と周辺の300pxの切り出し

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周辺の星像は、このくらいでええんで内科医とおもう。輝星のゴーストが見当たらないのも、対策が功を奏したようでよかったです。

気になるのは、4本の光条の長さがそれぞれ違う点。アルニタクをみるとわかるように、画面左下方向だけ長ーく伸びています。これはなぜなのだろうか?  また馬頭星雲近くに薄く出ている光条は延長してもアルニラムとは一致せず、ひょっとすると画角外のミンタカ由来かもしれない。

画面全体の色ムラとアルニラムの周辺の諧調の壊れは、撮影中に薄雲の通過のフレームも含めてシグマクリップしためと思われます。

縮緬の原因は不明。今回に限ってはフラットの所為ではないようでした。ダーク減算すれば消えるのだろうか? 

 

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翌日追記:
Ramb-astroさんから「周辺に倍率色収差が若干目立ちますが、RGBごとの位置合わせで修正できますね」という趣旨のコメントいただきました。せっかくですので適用例を示しておきます。

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左側がもともとの倍率色収差が目立つ周辺像でRGBの色ずれが目立ちます。右側が補正後です。このような種類の収差はソフトウェアで簡単に補正できます。

これはTwitterでおののきももやす(@tjm8874)さんが初めに紹介していたと思いますが、念のため手続きを書いておきます。まずした画像の

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をクリックして、元画像をRGBの各チャンネルに分解します。そしたら”StarAlignment”を起動して、”Registration model”を”Thin Plate Splines”と選んだうえで”Distortion Correction”にチェックをいれます。そのうえで、"Reference Imege"をG画像に、”Target Imeges”をR画像とB画像に選んで実行します。

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生成された画像を再びRGB合成すればおしまいです。

この方法はシンプルながら効果絶大で多少の色収差はだいたい補正できます。どうぞお試しあれ。