天文はかせ幕下

カメレオン座の分子雲

カメレオン座は天の南極付近にあって、日本人にとっては馴染みの薄い星座です。顧問もチリでリモート撮影を始めるまでは、全く知りませんでした。

チリの望遠鏡を一緒に運用しているAramisさんが、4月ころにこの辺りの分子運を撮影されていました。

「おお、これはいいじゃん」って感激し、自分も撮ってみたくなりました。

 

カメレオン座の分子雲は、もっと広い範囲に分布しています。その全体像を知るには下のAPOD作品がわかりやすいです。

https://apod.nasa.gov/apod/ap220117.html より引用

Aramisさんの撮影領域は、この写真で「V字」に分布している分子雲の根元あたり。"Ripping Frames Nebula"と呼ばれている領域です。他にも面白い領域がたくさんあって、どう切り取っても楽しい天体写真になりそうです。

しばし考えた結果、「V字」の写真右側あたり、カメレオン座のβ星を中心として2枚モザイクで撮影してみました。結果はこちら。

Chameleon molecular Cloud

Date: 2023-5-13,21,25, 6-14
Location: El sauce Observatory, Chile
Optics: R200ss,
Camera: ASI294MM-pro
Exposure: 6 panel mosaic
・P1 (L, R, G, B) = (164, 72, 68, 68)
・P2 (L, R, G, B) = (173, 70, 69, 69)
(gain 120, offset 5)
Processing: Pixinsight, AstropixelProcessor, Photoshop

逆S字の分子雲を対角線の構図で捉えてみました。L画像が各3時間で、リモート撮影にしては短め。もう少し露光を頑張っても良かったかもしれません。6月はチリでも曇りの日が多く、なかなか撮影時間を伸ばせませんでした。そーなのかーさんに教わったところによると、周辺には淡いHaも存在しているようです。それをナローバンドで映し出せれれば、中心の青い星と対になってもっと印象的な作品に仕上げられたかも。この辺りは、来年の課題にしても良いかもしれません。