ソンブレロチャレンジとは顧問の造語で、M104銀河の円盤部分の波状の文様を写し出そうという挑戦です。これまでの経過は
にあります。ただ、以下でも振り返りますので特に読む必要はございません。
結果
2022年、チャレンジの皮切りは名取市の自宅庭で実施しました。まずは結果をご覧ください:
Luminance:
Date: 2022-3-05
Location: Natori city
Camera: ASI183mm pro
Mount: iOptron CEM70, off-axis guide
Optics: Takahashi MT200, sightron IR720
Exposure: 240s x 20 frames, gain 120
Date: 2021-04-01
Location: Natori city
Camera: ASI294mc pro
Mount: iOptron CEM70, off-axis guide
Optics: Takahashi MT200, sightron IR720
Exposure: 240s x 25 frames, gain 120
RGB:
Date:2020−5−13
Camera: ASI294MC-pro
Optics: Takahashi MT200 with coma corrector F8, UV-IR Cut
Mount: Takahashi NJP
Exposure: 90sec. x 44 flames (gain 120, -5deg.)
今年はズルしちゃってまして、輝度は今年と昨年のデータの平均、色情報は一昨年のデータから持ってきています。その理由は後で記すとして、中心部のアップです
いかがでしょうか? 顧問としてはだいぶん理想に近づいてきて満足しています。
撮影記
今年の工夫と改善点
このチャレンジは基本的にはシーイング次第。とはいえ毎年同じ機材で撮っているのでは芸がありませんし飽きてしまいます。毎年小さいながらも積み重ねてきた工夫と変更点を表にまとめてみます
今年の主な変更点は
- お気楽ジョガーさんからお借りしている、モノクロカメラのASI183mmを採用したこと
- オフアキガイドによりガイド精度を向上させたこと
の2点です。
撮って出しは、以下のような状態でした。
円盤部分はのっぺりしていて、波状の模様はほとんど見えていません。いや、かろうじて見えているか?という程度。
こんな状態でも、画像を重ねていくと、徐々に構造が出てくるのは、本当に面白いことです。ただ、IRフィルターでの撮影だと光量不足は否めず、Deconvolution処理にて本来滑らかであるべき部分が荒れてしまいます。それが、質的に劣る昨年のデータを平均に加えた理由です。
遠征地でLフィルターを使ってたっぷり露光するのが本筋かなーと思った次第です。そしてこの撮影の3日後、顧問は飯館村へ遠征しました。そこで得られた真に驚くべき結果とは?!(つづく)