天文はかせ幕下

旧年の総括と新年の展望

2023年を迎えました。ここを訪ねてくださる皆様、あけましておめでとうございます。

旧年は私にとって激烈な発展がありまして喜ばしい限り。また今年も慌ただしく楽しい年になりそうです。有難いことです。まずはダイジェストで2022年を総括したいと存じます

2022年の総括

旧年を、作品と共に振り返っていきます:

 まずは1月撮影のかもめ星雲。

Seagull negula (IC2177)

はやま湖で一人寂しく撮影した思い出。RASA11’’での2枚モザイクです。トータル1時間弱の割には十分に満足できる結果になって、自分にとっての代表作になりました。

 いつも撮影をご一緒している、そーなのかーさんとは合作で2作品を撮影しました。一つ目はM63銀河、

M63 and its tidal stream

もう一つは鷹の爪星雲です。

sh2-126 Great Lacerta Nebula

M63は2晩で13.4h、鷹の爪は1晩で31.4h!どちらも淡い部分の描出において最高レベルといってよい結果が得られたと自惚れております。そんなこと言ってフォトコンには落選したんですけど、それはまあいいではないですか笑

 

元気な新入部員の1年生も入ってきました。

写真の二人は、我々の部としては珍しく撮影に興味があるようで、学校から赤外線で天の川を撮影したのが彼らとの共同作品となりました

The milky way in IR image, from a city sky

これは内輪ネタになってしまうのですけど、名取市近郊に位置している学内の風景と濃い天の川が重なる奇妙なこの写真は気に入っています。

 

さおりんさんとの皆既月食ライブ配信も良い思い出。帰りにラーメン屋に寄り道したりして、楽しい観望会になりました。

またこのイベントがきっかけとなって、東北大天文同好会の皆さんとも懇意になり、画像処理の勉強会なども実施しました。

内容は、ちょっと欲張って盛り込みすぎたよなと反省しています。

 

遠征撮影は、7月末の浄土平が1番の楽しかった

いまはもう星沼会のメンバーになっているM&Mさんと初めてお会いしました。その時の様子は下記のように動画にもまとめております。

またこの時撮影した"Around the Deneb"が、サイトロンジャパンの2023年カレンダー表紙に採用されたのでした。

 

そして何と言っても、チリのリモート天文台``El Sance Observatory"にVixen R200ssとASI294MM-Proの撮影システムを設置し、Aramisさん、そーなのかーさん、丹羽さんと四人で持ち回りのリモート撮影が始まったことがとても印象深い変化になりました。こちらは運用開始から2ヶ月が経過した現在も、光軸まわりの調整で苦戦しておりますものの、長時間露光に裏付けされた素晴らしい撮影結果が得られています

The dorphin-Head Nebula

NGC253

MGC55

 

そんなわけで、昨年の総括は以上です。

このブログを始めたのが2013年。その頃の私には全く想像の付かなかった広がりが、天文趣味による皆さんとの交流によって生み出されています。本当に我ながら呆れるほどです。そして今年はいったいどんな年になるでしょうか?

新年の展望

2023年は、ブログ「天文はかせ幕下」の10周年となります。

まずは「月刊 星ナビ」1月5日発売の2月号に、星沼会の共同執筆による「みんなで合作!天体写真」が掲載されています。

https://amzn.asia/d/beaJKJV

この記事は前編・後編に分かれてまして、新年そうそう締め切りに追われています。

 

昨年、「星沼ブックス」から刊行された「Pixinsightの使い方(基本編)丹羽雅彦著」は、500部売れればかなり良いほうと言われている(当てずっぽ)天体画像処理のハウツー本としては、異例のベストセラーになったとか。その待望の(応用編)を鋭意執筆中で、こちらも今年くらいには上梓できればいいよなとおもっています。

 

6月には私が実行委員長であるCANPが開催されます。こちらは無難に、でも攻めるべきところは若干攻めて、できるだけ多く、参加者の皆さんに楽しんでもらえる会にしたいと計画を練っております。

 

そんなわけで、皆様今年もよろしくお願いします!