天文はかせ幕下

ニヤニヤ笑い

※若干唐突ですが、最近記事にするネタが枯渇気味なので、無内容な随筆をたまに書いていきます。不評であれば止めます

 

妻の運転する自家用車が、横を抜けていった。私は仕事帰り、県道沿いを電動自転車で走っていて、たまたますれ違ったのである。

「なにをニヤニヤ笑っていたの?」

帰宅早々、同乗していた長男と妻に指摘された。私は、遠くから見てもはっきりそれと判るほどに、一人で笑っていたのだそうである。みっともないから気をつけなさい、とお𠮟りを受けた。

思い出してみると、今日は仕事後の筋トレが捗って、僕の大腿筋と大胸筋が嬉しい悲鳴を上げているなあ。とか、そういった筋肉との会話を妄想していたような気がする。そのよろこびの気持ちが、知らないうちに表情に出てしまっていたようだ。

ところで、一人で笑う行為のどこがイケナイのだろうか?

たしかに歩道は公共の場だ。そこでカップラーメンの湯を沸かすとか宴会を開くといった行為を行えば、それは糾弾されるべきである。私はちょっと楽しいから笑っていただけである。何ら迷惑をかけてはいないではないとおもう。

しかしこれは主観・客観の問題かもしれない。主観的に、ニヤニヤしている自分の顔は見えないのである。客観的に、向こうからオッサンが笑いながら歩いてきたら、次の瞬間にはゲバ棒を振り回したり、謎の液体を振り撒いたりするかもしれないという恐怖につながるのは確かであって、つまり一人でニヤニヤ笑っているのは、自己を客観視できていない証左なのである。

思い返してみれば、顧問はずーっと一人でニヤニヤ笑ってきたのかもしれない。学校などでも女子学生に

「あの先生、たまに一人で笑っててメッチャ気持ち悪いよねー、つーか〇ねばいいのに。」

なんて陰口を言われていたかもしれず、少し落ち込んだ。