天文はかせ幕下

仙台高専天文部の顧問が、日々の天文活動や天文情報を綴っています。

こんな均整の取れた銀河があったとは、NGC6744

チリのリモート天文台で8月に撮影していたNGC6744が、お気に入りのリザルトになりました。

NGC6744

date: 2025-07-24~2025-08-26

location: el sauce obsavatory, Chile

Optics: Vixen R200ss ExtenderPH

camera: ASI294MM-pro

exposure: L120s x 264, R120s x118, G 120s x 154, B 120s x 87(gain120)

processing: PixInsight, Photoshop

こんなに美しく均整の取れた銀河のことを、チリのリモートを始めるまではちゃんと知りませんでした。視直径は長辺20分角くらいで、これはおおぐま座のM81と同じくらいです。できるなら南半球に出かけて、双眼鏡で観望してみたいものです。

NGC6744は、いて座のはるか南の空にあります。もちろん日本からは見えません。台湾くらいまで南下すると、ようやく南の地平線ぎりぎりに見えてくるようです。

この銀河の周辺にはIFNの分布しているそうですね。丹羽さんのブログで紹介されていました

私の撮影でも、L画像を強調すると周辺にぼんやりとIFNの分布が見えていました。

ところで、我々の天の川銀河はこのNGC6744と同じような姿をしていると考えられているそうです。それはどうなのかなあ?と正直思います。地球から全天を見回しても、こんなに整った銀河は二つと無いというのに、それが自分らの銀河と似ているというのは、ちょっとうぬぼれが過ぎるのじゃ内科医?とか考えたりしました。