天文はかせ幕下

梅雨の晴れ間の観測会 in 白石蔵王スキー場

前置き(読み飛ばし可)

顧問が学生であった頃の同級生に木門(バスケ部)がいた。普通の人間が1時間かかるところを、20分もかからずにパパッと理解してしまう、そういう頭のよい奴であった。そのスマートさゆえの嫌味ったらしいところもあって、例えばテスト週間。我々が寮の居室で一夜漬けの勉強をしていると、木門はふらっと現われて言う

「明日のザイリキ*1のテスト範囲どこまでだっけ?」
「65ぺーじまでだよ」
「ふーん・・・、余裕ダラァー?

と言いのこして、去っていくのである。今になって思うと、木門は別にテスト範囲を知りたかったわけではなかった。ただ単に「ヨユウダラー」という遠州弁を我々にぶっつけたかっただけだったのだろう。

テスト週間前の観測会

新月期の週末。運良く晴れ間が予想されていたので、顧問は観測会を企画。部員の参加を募りました。しかし、テストまで一週間という時期でもあって、集まりが良くありません*2。そんな中「テスト?ヨユウダラー」と言いながら、ノゾキド、ユリナ、班長、そして今回初参加のマレーシア人留学生、チョンが集まりました。 

チョンくんは、今年度から我々の学校で勉強を始めています。

「なんで、日本の寮のご飯は、朝ごはんも、昼ご飯も、晩ご飯も、みそしる出ますか? マレーシア違います。」

なんて質問で我々を当惑させたりしてくるところが、楽しいヤツです。

白石スキー場に到着すると、西の屏風岳ごえの雲が天頂付近に定在していて、北極星も見えません。あとからYさんが合流しても状況は変わらず、唯一晴れていた射手座・さそり座付近を双眼鏡で眼視しました。干潟星雲やオメガ星雲、M22などの見え味は素晴らしく、久しぶりにゆっくりと星を見た気分です。晴れていると撮影にてんてこ舞いで、PHD2のグラフばっかり眺めて星を見なかったりします。

こんな写真も撮影しました。

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Sigma 70mm Macroでアンタレス付近

カミソリマクロ(旧式)は、鋭いながらも青ハロの強いレンズです。L42フィルターがそれを程よくカットしてくれるとのことで、今回それをテストして見ましたが、盛大なゴーストがでて、ダメでした。それでまあ、フィルターを外して、この日唯一晴れ続けていたアンタレス付近を撮影しました。

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7月13日 アンタレス付近、白石蔵王スキー場
camera: Canon EOS 60Da
Lens: Sigma 70mm F2.8 EX DG Macro (F4)
Mount: Kenko SkyMemoR(ノータッチ)
撮影条件:ISO1600, 210sec, 18枚スタック 

撮影時はだいぶん高度が低く、白石市の光害カブリもかなり強かったので強調はこの辺が限界でした。青ハロの処理にさえ気をつければ*3でもこのシャープさは、3万円くらいで手にはいるレンズとは思えませんね。夏は白鳥座付近を撮影したいぞ。 

 

 

*1:材料力学のこと

*2:東北大に通っているOBのアベにも声かけしましたが、なんと大学院生にもなってテスト週間に苦しんでいるそうです。顧問が院生の頃は、テスト週間なんてなかったけど。

*3:拡大すると、青ハロ除去の影響で星の周りが黒く落ち込んでいるのがわかります。