天文はかせ序二段(仮)

天文はかせ序二段(仮)

仙台高専(旧・宮城高専)天文部の活動記録です

参った参ったマイケル・ジャクソン。困った困ったこまどり姉妹。

顧問です。表題のオヤジギャグですが、これは私が大学院の学生であった頃の指導教官Y教授の口癖です。

「はぁー、参った参ったマイケルジャクソン・・・」

と往年の柳家喜多八が高座に上がるときのような脱力感で呟きながら、Y教授は大学院生の研究室にやって来ます。何に参っているのかは、こちらからは尋ねません。ひととおり研究のディスカッションをして、うまいアイデアが出ずに煮詰まると

「はあー、困った困ったこまどり姉妹・・・」

といって去っていくのでした。

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さておき、アベからの報告がありましたように、3月12日に霊山こどもの村へ撮影に行って来ました。今回の撮影も、表題のような困った結果でした。

今回は、4月から東北大学の大学院へ進学するアベ、と某旅客鉄道会社に就職が決まったスズリョウの参加する最後の観測会というわけです。普段はアホなことばっかりブログに書いてるわりに、二人とも優秀だったのですねぇ。顧問としては、できれば二人とも留年してもらって、天文部の活動を続けて欲しかったです。

まずは、アベが以前より撮影したいと願っていた「トールのかぶと星雲(NGC2359)」を日没後に狙い、そのあとM101へ移る予定です。

NGC2359をISO1600の6分露光で撮影。なんだがガイドエラーが大きく出ます。これは後で、赤緯軸ギアのイモネジの緩みが原因であったことがわかりました。この失敗は2度目です。どうもNJP赤道儀クラッチを操作するとイモネジが緩むことが多いみたいです。クラッチは触らないことにしましょう。それでもまともなライトフレームを12枚くらい確保できたので、その成果は後ほどアベより報告されると思います。

 さらなるガイドエラー

この季節、夜が更けてくると北斗七星が北に高く登って来ます。天頂付近のM101の撮影をします。するとこんなガイドエラーが!

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PHD2の青いグラフに注目ください。これはガイド星の赤経方向のエラー量を表していて、綺麗に周期的なエラーが出ているのがわかります。周期は数分程度で、この状態が1時間以上は続いたでしょうか?撮影結果は、星が強く流れていて使い物になりません。何をしてもこの周期的エラーが消えませんでした。万策尽きて疲れ果てたとき、オートガイダーから出ているケーブルが赤道儀の背中に乗っかっているのに気づきました。なんの気もなしに、そのケーブルを動かして宙ぶらりんの状態にしてあげると、なんとガイドエラーが解消したではありませんか!

そのあと、7枚ほど点像のフレームを確保。やがて子午線ごえで鏡筒の先端が三脚に干渉して、撮影終了。結果はこちら

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2018/3/12  M101 回転花火銀河
カメラ:Canon 60Da 
鏡筒:タカハシMT−200(1200mmF6)with MPCCコマコレクター 
露光:ISO320 360sec x 7
マウント:NJP赤道儀 PHD2ガイディング
画像処理:DSSでフラット・ダーク・スタック処理。PhotoShopで強調&ノイズ処理

せめて15枚くらい確保できればと思うともったいない結果です。人工衛星の軌跡を消す気力が起こりませんでした。久しぶりにMT−200での撮影で、焦点距離の長い鏡筒を使うことの難しさを痛感しました。あとこの鏡筒だと、なんだか星の十字回折像が綺麗に出ませんね。星の色もいまいちです。

ガイドケーブルのStick-Slip??

うえのガイドエラーの原因について。もしケーブルを動かしたことによってエラーが解消したとするなら、ガイドケーブルのstick-slip振動がオートガイダーに伝わったためと見ています。つまり、赤道儀の背中に乗っかっていたケーブルが、赤経方向の運動で少しずつ引っ張られる。それが限界に達するとほんの僅かに「ズルッ」と動き、それを繰り返すわけです。ガイドケーブルからの振動が、赤経だけのエラーとして現れていた理由は不明です。

ともかく、追尾によってケーブルが引っ張られたりしないよう、固定の方法を工夫するのは当然やるべきことであって、今回の失敗はとても教訓になりました。