露光時間は正義!では無かったか
3月から4月にかけて、チリではひたすらM104を撮影してました。しかもR、G、Bは無視してLだけを延々と。フォルダに増えた枚数は1192枚。
その狙いは、恒星ストリーム。銀河本体を球状に覆う楕円銀河状のハローのさらに外側に、土星の輪のように淡く分布している環状の構造です。
上は露光データです。2025年から、R200ssの補正レンズをフラットナーからエクステンダーに変えて光学系はF3.8から5.6へ少し暗くなっています。
その結果がコチラです。( ↓ 2025年バージョン トータル79時間露光 ↓ )
ううーん、どうなのでしょう。下に2年前の結果を再掲しますが、むしろ悪くなっているような。あれから、露光時間だけでなく画像処理技術にも結構進歩があったはずなのに・・・
( ↓ 2年前の2023年バージョン トータル30時間露光 ↓ )
今回の画像処理では、1930枚のL画像を処理して、2年前のRGBデータとくっつけてカラー化しました。画像はPSF SignalWeightの重みづけだけでなく、PixInsightのsubframe Selectorをつかって、エラーのあるフレームを慎重に取り除いています。
上に書いた通り、2025年から光学系が暗くなっているの関わらず1フレームの露光時間は2分と変えていませんでした。ひょっとすると恒星ストリームの部分はあまりに淡くて、リードノイズに負けてしまっていたのかもしれません。F3.8からF5.6へ暗くなったことを加味して2年前と同じ明るさを保持するなら、1枚当たり4分20秒は露光しなければならなかった計算です。
だいぶん頑張った割にちょっとがっかりです。撮影条件を見直して、来年また頑張ります。
おまけ、銀河本体を優先した処理
データがもったいないので、恒星ストリームは諦めて銀河本体の構造を最優先して処理したバージョンを載せておきます。
さらにクロップして。
この結果には大満足です。
下の元サイズからすると、面積で1/50くらいにクロップしてます。2倍ドリズルとBXTに加えて、微光星をウェーブレットをつかって選択的にシャープ化しました。そうすると「クロップしたなー」感が薄れる様です。
クロップ無しのオリジナルサイズ