メシエ天体などの撮影とくらべて彗星が面白いのは、「ひょっとしたら今夜・・・」という期待があるから。日曜の夜、明日は朝から学生実験があるというのに撮影に行ってしまいました・・・。
残念ながらウィルタネン彗星の今回の姿は、いくら強調しても尾の無い青みどりの楕円形でした。ちょっとつまらないので、星も彗星も止まって見える画像処理をやってみました。天文リフレクションズで紹介されていた方法を踏襲:撮影した38枚のフレームをκ-σクリッピングで加算する際、彗星核基準で星が消えたフレームと、恒星基準で彗星が暗くなったフレームを比較明合成しています。撮影時間帯は23:20~24:00で、彗星は23:40頃の位置になるように調整しました。
46P/Comet wirtanen, 2018年12月9日、23時40分
場所;福島県南相馬市
カメラ: Canon EOS 60Da,
光学系: Zeiss Apo-sonner 135mm F2(解放)
露光データ:ISO3200, 60sec. x 38flames
追尾: Kenko SkyMemo R
24時には撤収して、NHKFMの「ラジオ深夜便」を聴きながら、帰宅しました。
蛇足:冬季の新しい撮影場所について
宮城県が活動拠点の我々。冬の撮影ではもっぱら福島県飯館村の「はやま湖」を利用しています。ここです
はやま湖を選ぶ理由は、冬の晴天率の高さと南方向の空の暗さです。欠点としては、湖の水蒸気のせいで結露の多いこと。また冬型の気圧配置の時に、地形の関係でまれに雪雲が流れ込んでくることがあります。そのような場合、もう少し南に観測場所を取れば雲を避けられることが多いので、顧問は暇があればGoogleMapでこの地域を探索しています。しかしはやま湖以南にひろがる阿武隈高地には大規模な施設がほぼなく、まともな観測場所は仙台平*1くらいです。
ところが今回、ついに使えそうな観測場所を発見しました!ここです
南相馬市の馬事公苑ちかくにある「はらまちフラワーランド」と呼ばれる施設周辺の単なる道端です。道は袋小路になっているので、撮影中に自動車が通過していく可能性は皆無といってよく、南相馬ICから20分程度の距離。はやま湖にくらべれば若干空はあかるいながら、南から北西方向はほとんど同じかより暗いかも。何よりも土地が開けているので、リラックスして撮影できました。今年の冬はこっちを使うのもありかもしれません。