天文はかせ幕下

ゴリラテープでレンズ修理

はじめに:Mamiya Apo-sekor 500mm F6の悲しい履歴

いまから2年ちょっと前。顧問はYahooオークションを利用して表題のレンズを入手しました。

「250mmが天文適正バッチリだから、500mmだってイケるだろう。」

なんて言って。みなさんご存知のように、こういう推論は必ずしも正しくありません。なのに

「貧乏人はひっこんでろ!」

なんて悪態をつきながら、顧問は無計画にレンズを落札したのです。価格は10万円ちょっと。当時250mmが2万円弱で手に入ったのに比べれば高額でした。

しかし蓋を開けてみますとこのレンズ、星の周りにコマが発生するためにどうも星像がすっきりしません。まあでも250mmに比べれば光学性能が劣るという程度で、十分使えることは確かです。周辺減光がとても小さい利点もあるので、これまで頑張ってこんな写真を撮影してきました:

M81, M82 and the faint clouds around

Orion Nebula

cone nebula and Christmas tree cluster

 

これら3作品を残して1年余り後、ガシャーンバリーン事件がありました。レンズはEOS6Dもろとも、アスファルトの地面に落下してしまったのです。その顛末は

に書いております。

上のエントリには、「破損したのはマウントアダプター*1のみ」とありますがそれは間違いで、後で判明したところによると実はレンズも壊れてました。絞りリングのあたりがガタつくようになってしまったのです。撮影してみると星像もボロボロ。

さて、仙台のカメラ小僧なら、必ずお世話になっているであろうショップに「コセキカメラ」があります。顧問は壊れたMamiyaを持ち込んで相談してみました。

「一度レンズを落っことしてしまって、この通りです(グラグラ」
「あー、これはまずいですね。たぶん、内部の閉めネジが緩んでいるだけっぽいですが、ウチでは修理できないので、別の修理店に見積もってもらいましょうか?」
「はいおねげーいします」

なんてやりとり。数週間後に回答があり

「(請負いの店によると)ガタつきによるスケアリングエラーは確認できなかったとのことですが、修理は可能で3万円かかるようです。どうします?」
「スケアリングエラーが確認できない? うーん、それだと直るかどうかはっきりしませんよね。」
「そうですねー。」

結局、修理は諦めて、Mamiya Apo-sekor 500mmは長い眠りについたのです。

ゴリラテープ登場

最近ホームセンターにいくとしきりに宣伝されているゴリラテープ。

「Oh... ごりら」
「ゴリラテープ!そうだよね!」

って、顧問もそうだと思います。強烈な接着力と、ほとんど伸び縮みしない強い繊維が特徴のテープです。買ってきました

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ちなみにこれだけで1200円くらいします。こいつでガタつくレンズをグルグル巻きにしてやればいいんじゃね? 顧問は愚考したのです。

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うーんカッコ悪い。しかし仕方なし。ちなみに絞りの調整はもうできません。

 修理の結果

本日。庭先で修理の成果をチェックしてみました。まず下の写真は、ガシャーン・バリーン事件前のフルサイズでの中心と周辺像です

落下事件前↓

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ガシャーン・バリーン事件直後↓

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そしてこちらが「ゴリラテープ後」↓

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残念ながら壊れている時の画像がないので、ここまで読んでくださった方にとっては「何のことやら」という感じかもしれません。どうもすみません。後ほど壊れていた時の画像が見つかったので、掲載しました。星像が楕円に変形して、コマが拡大しているのがわかると思います。

結論としては、ゴリラテープの補強である程度星像は改善しました。なんとか使えるようになってよかった。春には干潟星雲でも撮影してみようかな。ありがとう、ごりら。

 

*1:マウントアダプターは応急処置のあと、いまはクラスノスチ氏が利用しています