2021年で最も明るくなるであろうと予想されているレナード彗星(C/2021 A1)。11月はりょうけん座からかみのけ座の付近を移動しており、今後はクジラ銀河、球状星団M3などの近くを通過していきます。
ハイライトはM3とのコラボになるであろうことは把握しつつ、まずはNGC4395との接近の様子を撮影したいと顧問は考えました。月明かりの影響を考えると、最大の撮影チャンスは17日の未明です。
その日、神割崎に出かけてきました。
月齢11の大きな月が西に沈むのが4時。そこから薄明開始までの1時間弱に露光する計画。事前に画角などを入念にチェックしてRASA11"にフルサイズのEOS6Dを取り付けて撮影することに決めました。次はstellarium上での当初の計画です。
撮影のスケジュールは以下の通りでした
- 21時就寝。
- 23時30分に起床、翌0時出発。
- 2時ころに神割崎に到着
- 動画撮ったりタイムラプス撮ったり
- 4時に撮影開始
- 4時45分撮影終了
- 5時30分に撤収
- 7時帰宅
- 9時出勤、亡霊のように働く
我ながらよくやるものです。
結果
では結果をご覧いただきます。1枚目は彗星核基準スタック。彗星の移動に伴って星が斜めに流れています。
Date: 2021-11-16 19:00~19:45(UT)
Location: Miyagi, Kamiwari-saki
Camera: CANON EOS6D
Optics: Celestron RASA11"
Exposure: 90s x 20flames(ISO1600)
Processing: Pixinsight, Photoshop
2枚目は恒星基準でスタックした画像に、上の彗星基準でのスタック結果を合成したもの。科学的にはイマイチですが、見た目はきれいになります。
Date: 2021-11-16 19:00~19:45(UT)
Location: Miyagi, Kamiwari-saki
Camera: CANON EOS6D
Optics: Celestron RASA11"
Exposure: 90s x 20flames(ISO1600)
Processing: Pixinsight, Photoshop
The 言い訳
今回、RASAとEOD6Dでの撮影でした。そしてまたもややってしまいました。片ボケです。これには心を打ち砕かれます。
下は中心の星でピントを合わせた後の、画面左端と右端の星像です。
RASAでの片ボケはこれまでさんざん経験してきており、イイカゲン克服したと思っていたのに、なぜここで同じミスを繰り返してしまったのでしょうか コンテストで準大賞をとって慢心していたのでしょうか?
それもあるのでしょうけども、実はこれまで、RASAにマウントアダプターを通してデジカメを取り付けた場合には、スケアリングエラーの経験がなかったのです。少なくともAPS-CのEOS60Daと、フルサイズのSigmaFpでの撮影ではそうでした。なので心配はないと思い込んでいたのですよねー。
なぜEOS6Dでこのような致命的な結果になってしまったのか?ひょっとしたら移動中に光軸がずれたことも視野に入れて、次回の撮影の前にじっくりチェックしないとだめです。
実際に片ボケに気が付いたのは薄明開始の15分前。時すでに遅しでした。あー、後悔しても後悔しきれません。
でも今回の遠征では動画をたくさん撮影してました。youtubeの解像度なら片ボケも気にならないので、そちらの編集に気合いを入れたいと思います。