春の中ごろから6月にかけて、我々のリモート天文台があるチリのel sauceも、しばらく曇天が続いて全く取れ高が上がらずにおりました。この時期は日本も天候が悪いし、困ったものであるよなあ、と毎夜ビールをあおっていたところ、7月に入ってチリはめでたく梅雨明け(というのかどうか?)しました。そうするともう毎日のように快晴が続きます。
4夜ほどかけて、NGC6250という星団の周辺を撮影しました。
NGC6250 & FeSt2-238
Date: 2024-7-2,6,10,14 (4 nights)
Location: El sauce, Chile
Camera: ASI294MM-Pro
Optics: Vixen R200ss
Exposure: LRGB=(9h40m, 4h52m,5h00m,5h28m), total 25h
Processing: Pixinsight, Photoshop
写真中央からやや右下のあたりにある青い星の集まりがNGC6250です。この散開星団と、写真左上にある赤紫と薄青色の淡い星雲を並べて撮るのが、今回の構図の狙いでした。作品としては、「まあ、こんなものかな」という感想です。
しかし、この星雲のカタログ番号が分かりません。
ちなみに場所は、さそり座のしっぽから、更に南のあたりです。下の画像の白枠が構図になります
GoogleだけでなくChatGPTに聞いてみたりもしましたが、情報が出てきません。そこで、Twitterに投稿すれば、だれかが教えてくれるだろうと呼び掛けました。すると、ひの@星空さんが反応してくれて、同様の天体が"unnamed nebula"としてastrobinに投稿されていたことを教えてもらいました。
FeSt2-238なんて記述も見ましたが私は知らないカタログでした…🙄
— ひの@星空✨ (@osakanabread) 2024年7月8日
それもこの暗い部分だけみたい?https://t.co/BJYf8Sfu2O
作品のリンクはこちらhttps://astrob.in/7y76pg/0/です。私の撮影よりも素晴らしく鮮やかに色が出ていて、Image of the dayの受賞作でした。
そのコメント欄によれば、FeSt2-238はこの星雲の暗黒帯部分を指すのだそうです。それで写真のタイトルも”NGC6250 & FeSt2-238”としたのでした。しかし星雲自体にはとくにカタログ番号は振られていないのかもしれません。
そういえば、おうし座のNGC1333付近に、よく似た星雲がありますね。これです:
これは結構有名な星雲ですけど*1、やっぱりカタログ番号が見つけられませんでした。共通して見落とされがちな理由でもあるのでしょうか?
*1:「くさった桃」とか呼ばれることがありますが、あまりイメージが良くないのでそういう呼び名は好きではありません。