天体写真用のカメラ、ここ数年の間、ZWOやQHYCCDの冷却CMOSカメラが主流になりつつあります。その性能は素晴らしく、「冷やし中華」なんて皮肉った呼び方もほとんど耳にしなくなりました。
そんな潮流に反して、あえて国産の一眼レフCanonEOS6Dを追加入手したのです。ぼちぼち 星空眺めましょのタカsiさんからミラーレス改造の個体を格安で譲っていただきました(ありがとう存じます)。
かくして我々の手元には、
「EOS6D+Mamiya Apo-sekor 250mm F4.5」
のツインシステムばが爆発的に誕生したのです!
ドカーン!
EOS6Dは、もう10年近く前のカメラです。しかし2021年においても、その性能は十分に素晴らしく、けっして天体用CMOSにも引けを取らないと信じています。例えば最近、ふうげつ*さんが、cooled6DにL-extremeフィルターとの組み合わせで、仙台市内から撮影した素晴らしい結果をTwitterにて報告されてました
ペリカン星雲(IC 5070, Pelican nebula)
— ふうげつ* (@fugetsuphoto) 2021年5月24日
撮影データ
カメラ:Cooled 6D(センサー温度約-10℃)
鏡筒:タカハシ FS-102(焦点距離820mm、f/8)
露出:7分×11フレームスタック(総露出1時間17分)
ISO6400 トリミングあり
赤道儀(タカハシ EM-10)にてガイド
フィルター(Optolong L-eXtream)使用 pic.twitter.com/U1KdeM2I4S
すごーいですよね*1!
また、6Dのツインシステムは、国内だとZeissのapo-asonnerapo-sonnar135mmやタカハシのFS60CBとの組み合わせで運用されている方がおられます。それらに比べてF4.5と若干中途半端なApo-sekorを組み合わせた利点は、フルサイズでも減光が分からないくらいの周辺光量の豊富さです。写野全体の明るさで換算すれば、実質F3.8くらいかなー(根拠なし)と勝手に見做しております。その性能は、とくにモザイク合成で威力を発するのではないかと狙っていました。
そこで、このツインシステムのファーストライトの対象として、おなじみアンタレス付近をモザイク撮影することにしました。Telescopiusを使って計画した構図は以下の通り:
そして5月9日の夜、暴風の飯館村で撮影しました。
Date: 2021-5-10
Location: Iidate-mura, Fukushima
Camera: Modified Canon EOS6D (2 units)
Lens: Mamiya Apo Sektor 250mm F4.5 (2 units)
Exposure: 240s x 17flames(ISO1600), 2x3 panel mosaic
Processing: Pixinsight, Photoshop
各フレーム1時間ちょっと。トータル6時間の露光を一晩で撮影しました。結果としては、前回にASI2600mc-proにapo-sonnerを組み合わせてモザイクしたこちらの結果
に引けをとっていないのではないかなーと満足しています。あと数年は、このシステムでいろんなところを撮影して楽しみたいと思っています。
次回、ミラーレス改造の6Dとミラーありの6Dについて、周辺減光の様子など比較して報告したいと思います。
*1:ちなみにこのcooled6D、最近ASI2400MCを入手されたM&M VillageのM&Mさんから譲り受けたものだそうです。