天文はかせ幕下

ε200+フルサイズカメラでSoul星雲

11日の神割崎遠征、1年生たちは思い思いに観望していました、その一部始終は

https://www.youtube.com/watch?v=H9wobEEG_W4&t=12s

をご覧ください(改めて宣伝)。

いっぽう顧問は、Soul星雲(IC1848)と、オリオン座+C/2020 M3の星野写真を撮っていました。このエントリーではおもにその撮影結果についてまとめます。

イプシロン200+フルサイズでSoul星雲

このところめっきり出番が無くなっていたイプシロン200。最後に使ったのは1年前のもりもりランド遠征。フォーサーズの294mcをつけてNGC891を撮影したのでした。

今回の遠征では、久しぶり彼を持ち出しました。

イプシロン200の光軸調整とスパイダー

天文部のイプシロン200は結構古いタイプで、スパイダーが細い棒です。

f:id:snct-astro:20201110185134j:plain

このタイプの何が悪いかと言いますと、筒を水平にした時スパイダーが斜鏡の重みに耐えきれず、たわむのですね*1。なので、鏡筒を寝かせた状態で光軸をばっちり調整しても、望遠鏡を起こすと、もう光軸がずれるのです。顧問はその事実につい最近気づきました。

それで、基本的には鏡筒が天頂を向いているときに光軸が合うように調整をしなおしたのでした。

「これでもって、過去にないくらい光軸を追い込むことができた。ついにこの鏡筒にフルサイズカメラを取り付けるべき時がやってきたのだ!」

顧問は愚考しました。

 Soul星雲を撮影

TwitterでBooKuuさんのお勧めもあって、f=800mm+フルサイズでちょうどピッタリ、Soul星雲を対象にしました。撮って出しの一枚が以下の通り。

f:id:snct-astro:20201118231730j:plain周辺減光は結構自然です。下側には若干ボックスケラレがあるみたいです。星像はどうでしょう?

f:id:snct-astro:20201118231904j:plain

中央と周辺300pxの切り出し画像です。まず星の形は4方向すべて同じです。これは光軸調整の成果だと思います(以前はAPS-Cでも星像がわずかに非対称でした)。一方で中央に比べると、周辺は星が肥大して、若干ピンボケ像です。これは主鏡の圧迫なのか? それともこの辺がε200の限界なのか?

ともあれ。夜半過ぎくらいまで、6分 x 22枚=132分のライトフレームを確保したのでした。

結果

Soul Nebula (IC1848)

Date: 2020-11-11
Camera: Canon EOS6D(mod)
Optics: Takahashi epsilon-200
Mount: TakahashiNJP, Mgen guide
Exposure: 360sec. x 22 flames + 16sec. x 10flames(ISO1600)

まあ、そこそこ上手に撮れたかなと思います。周辺はすこしトリミングしていますが、処理をすれば星の肥大はそれほど気にならないので、またこの組み合わせでなにか撮ろうと思います。

オリオン座とアトラス彗星

ついでに、オリオン座の三ツ星付近に接近していたアトラス彗星(C/2020 M3)も撮影しておきました。

Comet/2020 M3(atlas) on 11th. Nov

Date: 2020-11-11 23:43~23:43(JST)
Optics: Zeiss Apo-sonner 135mmF2(F2.8)
Camera: SigmaFp(normal)
Exposure: 150sec x 23flames (ISO3200)
Mount: Kenko SkymemoR

これはあまり小細工せず、単純に恒星基準で平均スタックしました。なので彗星は若干縦に伸びています。オリオン座が4つ星になったようですね。

 

 

 

*1:タカハシの何かの資料で、「(古いイプシロ200にたいして)羽型の頑丈なスパイダーへの変更をお勧めします。」と書いてあったのをみたことがあります。