天文はかせ幕下

2023-01-01から1年間の記事一覧

2023年蔵王雲抜け一回目

5月20日(土)、これまで機会が少なかった2年生と新一年生を連れての星空観望を計画しました。 しかし当日はこんな天気図で満天の雲。 しかし雲抜けの可能性は、数日前からツイッターでささやかれていました。 新入部員を連れて蔵王へゴー。果たして雲抜けな…

エータ・カリーナ星雲の6枚モザイク!

南天で最も明るいイータ・カリーナ星雲をそーなのかー氏が撮影、顧問が処理しました。その撮影結果と、いろいろ興味深いこの星雲の詳細についてまとめましたので、どうぞご笑覧ください。 まずは結果 しらべると楽しい星雲 南天はイータ・カリーナ、北天は北…

O型主系列星に注目する

散光星雲はそれ自体が光っているのではないーー。宇宙空間を漂っている水素や酸素が、近くにある明るい星の光を吸収し、それぞれの元素特有の光を放出することで光っているのである。 顧問はそれらのことを、ウィキペディアを読むなどして学びました。 水素…

CANP2023を仙台高専で開催します

全国津々浦々の天文ファンが集まって、天体写真撮影や画像処理についての情報交換を行う「CANP2023」、今年はひょんなことから顧問が実行委員長となり、仙台高専で開催いたします。 このブログをご覧になってくださる皆さんのなかで、仙台近郊にお住いのかた…

三裂星雲、成り立ちを空想して楽しむ

コチラは2017年5月、1年生の新入部員を連れて白石スキー場に出かけた時に撮影した、三裂星雲M20です。 2017年、白石蔵王スキー場で撮影。MT-200とEOS60Daで 日本からは高度が低く、単独で写すには800mmくらいの焦点距離が必要。明るい割には難易度の高い対象…

新ソンブレロチャレンジ。恒星ストリームを撮影しました

ソンブレロ銀河には、非常に淡い「恒星ストリーム」が存在するらしい--- このブログにたまにコメントくださるUTOさんよりそんな情報をいただきました。 恒星ストリームは、一般的に非常に淡い銀河本体の星の連なりで、過去に起こった銀河間の相互作用などが…

4月は田束山に遠征

田束山は「たつがねさん」と読みまして、南三陸町の中心部から北に5kmほどに位置しています。標高は500m余。春特有の霞を避けるために遠征先に選びました。 こんなところです。 田束山からの眺め 撤収が済んだ朝に撮影しました。こういう見晴らしがよ…

リニア画像でLRGB合成する

LRGB合成はストレッチしたノンリニアの画像に対して実行せよーー しかし後述の事情により、それが顧問には若干の不満でした。今回は、リニアの画像で実行できるLRGB合成について紹介します。 事の起こり どこまでストレッチすればいいの? 使用する画像 単純…

3月のチリリモート作品

チリリモート望遠鏡は、ひと月に1作品のペースで撮影を進めています。3月は、エータカリーナ星雲近くの領域を撮影しました。 Date: 2023-3-19~31 Location: El Sauce, Chile Optics: Vixen R200ss, CorrectorPH, Astrodon LRGBHaO3 E-series Camera: ASI294…

2023年のソンブレロ銀河

いまから1年ほど前の春ころ、飯館村の相の沢キャンプ場の駐車場*1にて、ソンブレロ銀河を撮影していました。 僥倖に恵まれて良シーイングを引き当て、さざ波のような円盤の文様を引き出すという目標を達成し、「ソンブレロチャレンジ」はもういいかなと、終…

忘れ物した夜に昔を思い出す

遠征に出発する前に、頭の中で機材のセッティングをシミュレーション。 「三脚を広げて、赤道儀と鏡筒乗せて。パソコンだして・・・あ、バッテリー持ったっけ?」 って感じで忘れ物に気づきます。最近はこれを習慣づけていて、忘れ物は減っていました。 とこ…

慣れない星景写真をガンバル

「ワシもたまには星景写真を撮ってこましたろう。昨年の賞与にて購入したsigma社の20mmF1.4Artレンズもあることですし。」 などと顧問は考えていました。明け方に昇ってくる天の川の景色が狙いです。 18日の日中は寒冷前線が宮城県地方を通過し、夜半から空…

ほ座のNGC2626周辺

「南天の知識が足らないなあ」 とは、チリリモートを始める前から感じていました。それで日本からは南に低い対象を天頂で撮影して「どやあ」ってやっていたわけですが、春先になってネタが切れました。 明日は撮影の順番が回ってくるのに、何撮るか決めてな…

はやま湖でNGC3344

CP+が明けて2月末。27日月曜日の夜は全国的に高気圧に覆われる予報でした。 上弦だけど、完璧な夜の予感 pic.twitter.com/I7amcPRXiL— だいこもん (@pochomskii) 2023年2月27日 月没は0時ころ。そのころ夜空はすっかり春の星座です。今回はNGC3344を撮影し…

CP+には行かなかったけれども

表題のCP+は、カメラオタクなら知らぬ者はいないイベント。日本最大級のカメラの見本市です。 www.cpplus.jp しばらくコロナウイルスの流行でリアルの開催はされていなかったところ、今年は何年振りかの通常開催となりました。星沼会の仲間たちも大挙して参…

1月の萩ビレッジでの合宿の動画

1月下旬に行った合宿の様子、動画にしたためました。 youtu.be 今回の動画はこれまでと一味違います。といいますのも、昨年の暮れのボーナスでバイ貝しましたSigmaのArtレンズを投入しています F1.4の解放でつかってもフルサイズの周辺までシャープなバケモ…

タランチュラ星雲で色のお勉強

チリリモート作品第5弾になります、タランチュラ星雲です。22.8時間露光です。 Date: 2023-1-14~26Location: El Sauce, ChileOptics: Vixen R200ss, CorrectorPH, Astrodon LRGBHaO3 E-seriesCamera: ASI294MM-proLRGB=151,56,56,55 frames x 120s, gain120E…

倦怠期? M81,M82

先日に記事を載せた茨城県での星沼合宿では、ZTF彗星が昇ってくるまでの待ち時間にM81とM82のあたりを撮影しました。こやまダムは特に北方向が暗いので、この対象を撮るには好都合です Date:2023-01-28 Location: koyama-dam, ibaraki Optics: RASA11", no f…

星沼会 2023年冬合宿 

あえて上弦の頃に天体合宿をした意図.実際は… 成果写真 最後に,星沼会について思うこと 1月28日に,星沼会の合宿を行いました.氷点下10℃の夜,気の置けない仲間たちとBBQや撮影を楽しみました. メンバーのAramisさん,M&Mさんもブログで始終を報告し…

LRGB合成の基本的なことと、トラブル対策など

はじめに 天体写真撮影を始めて10年弱。顧問はこれまで、もっぱらカラーカメラで撮影してきました。 ところが最近、チリに設置した機材がASI294MMであることもあり、本格的にモノクロカメラのLRGB撮影に向き合う必要性が出てきました。やってみるとこれ、案…

ハト星雲の周辺、改めオウム星雲の周辺

※parrot=ハトだと思い込んでいてハト星雲とか書いてましたが。正しい訳はオウム星雲でした。指摘を受けて修正。はずかしい! 昨年末、チリに設置したVixen R200SSは、使用していると光軸がだんだんズレていくトラブルに悩まされていました。そんな中、だまし…

旧年の総括と新年の展望

2023年を迎えました。ここを訪ねてくださる皆様、あけましておめでとうございます。 旧年は私にとって激烈な発展がありまして喜ばしい限り。また今年も慌ただしく楽しい年になりそうです。有難いことです。まずはダイジェストで2022年を総括したいと存じます…